「毒を食らえ」との邂逅
昨日は「肚をつくる読書会」にお越し下さいましてありがとうございました。「耆に学ぶ」の「毒を食らえ」のテーマをめぐって小林秀雄、三島由紀夫、夏目漱石、与謝野晶子、井筒俊彦…など様々な角度から深めて参りました。
今回、小林秀雄の全集を読んでいる方よりテーマについてお話をして頂きました。彼にとっては、全集を読む事自体が毒だ。と仰っていたのが印象的でした。また、三島由紀夫を読む青年からもお話して頂きました。彼は、文学には毒がある。と仰っていました。感慨深いです。
文学を読むのも人生の修行だと、かつては言われていたものです。それによって人間として成長します。(執行草舟著/「毒を食らえ」)
旧字体を重要視していた人物の一人に小林秀雄がいます。旧字体で「からだ」のことを「體」と書きます。現代では「体」です。こちらの漢字「體」の姿を見ていると体に必要なことが何となく観えてきます。他方「体」には「そまつ」という意味があるそうです。意味深長です。
昔のコトバや漢字、文学それ自体に「毒」があって、それらを受け入れることによって己を鍛えていったように思えてきます。そこに人間としての生命としての躍動する秘儀が見え隠れしています。
季節は初夏から真夏へと変わりつつあります。この夏、毒のある「毒書」を一緒に読み進めていきたいですね。
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